肌の乾燥とは


地上に暮らしている人間の体は約60%が水分で作られています。 



魚では約70%以上、クラゲに至っては90%以上が水分でできていますが地上に上げられると干物になってしまいます。


 

なぜ人は干からびずにすむのでしょう? 



これは皮膚の表皮、特に角質層の働きによるものです。

 角質層は皮膚の1番外側にあるもう死んでしまった細胞がレンガ状に積み上がっている部分です。 



約60%が水分の人の体の中はとても湿っています



それでも砂漠や熱帯地方にいても体が干からびないのは魚にはないサランラップ1枚くらいの厚さの角質層が体から水分が逃げるのを防いでいるからです。 



皮膚から角質層だけをうすーく剥がしたシートで水を満たした試験管に蓋をしておくと何日経っても水は減らないそうです。

水さえも通さないシートは当然外からの微生物などの侵入も許しません。


 

正常な角質層は体内の潤いを保ち、外敵の侵入を防ぐ身体にとっての最強の保護バリヤです。 



ただし、この保護バリヤはバランスを崩すともろくもあります。 



まず角質そのものに十分に水分が含まれ(NMF)、その角質と角質のあいだを水分と油分が互い違いに多層状態になった液体が満たしていなければなりません(細胞間脂質)。

さらにその上に汗と皮脂が混じり合った皮脂膜がコーティングして皮膚のバリヤ機能が完成します。


 

皮膚から薄く剥がした角質層のシートもしっかり水分を含んでいないとだめで、乾燥していてはスキマだらけで十分に機能しません。


 乾燥した環境で皮脂が足りていないと、角質と角質のあいだを埋めている細胞間脂質が急速に蒸発してしまいます。 


細胞間脂質は角質同士を強力に束ねる接着剤の役目を果たしているので不足すると角質をつなぐ力が緩み強力なバリヤはほころび始めます。 


バリヤが壊れると、そのほころんで無防備になった部分は外からの刺激に晒されることになります。そこに細菌などの微生物や化学物質が侵入するとそれを除去するために体が炎症反応を起こします。


 炎症はかゆみを伴うことが多く、搔くと搔いた部分の皮膚を壊してしまいさらに炎症が進む悪循環を引き起こします。


 

では、なぜ肌が乾燥してしまうのでしょう? 


それには体質的なもの、人為的(習慣的)なもの、さらに環境などの要素があり、そのどれかと言うよりはそれらが互いに関係しあっておこることが多いようです。 




例えば体質的なものには、

 皮脂が出ずらい、汗が出ずらい、NMFや細胞間脂質などの角質層を作るための水分が作りづらいなど、もともとの肌の潤いを作る機能が弱かったり、敏感肌で外からの刺激に弱いなどがあります。


 


環境面では、 

まず一番は湿度で、一般的に湿度が50%を切ると皮脂膜がしっかりしていない皮膚上では角質層の水分はどんどん蒸発してしまいます。 

また寒さも問題で気温が下がると空気中に保持できる水分の量が少なくなるので冬の方が乾燥がすすみます。

 寒いと肌の表面近くを流れる毛細血管が体温を失わないように収縮するので血行が滞り皮膚のバリヤを作る力も弱まりがちになります。 

冬は暖房も使うので気をつけないと室内も乾燥した環境になってしまいます。 




人為的・習慣的なものには、

 化粧品やシャンプーなどの化学物質、過度なドライヤーの風、掻いたりこすったりなどの外的刺激など。

 特にシャンプーはこすりすぎると刺激で皮膚を痛ませ油分も取りすぎますので毎日する方、スポーツなどして日に2回洗う方などは注意が必要です。 

シャンプー時に残留した界面活性剤は(シャンプーの時の界面活性剤は4分くらい流さないと落ちないと言われています)頭皮に付着し、そこに他の化学物質や空気中の汚れなどが結びついて炎症を起こしたりしてバリヤ機能を壊しやすくなります。

 また、偏った食生活や睡眠時間の不足などの健康全般にかかわる習慣は当然 肌にも悪影響を与えます。



 

環境や体質を変えることは難しかったり時間がかかるものですが、クセや習慣は意識すれば改善できることが多く、直接肌に行っていることだけに効果も大きいのでシャンプーや洗顔など毎日行うものはやり方や使用する化粧品を見直して見ましょう。




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