ターンオーバー

部屋の壁紙が汚れたとします。表面の一枚をペラーっと剥がしたら下から新品の壁紙が出てきます。


そんな壁(壁紙?)があったらとても便利だと思いませんか?


壁や壁紙ではそういうものはまだ聞いたことはありません。が、とても身近なところにそれ以上便利なものがあるのです。


それが「 皮膚)」です!!


肌(皮膚)には角質層という細胞がレンガ状に重なった層があり、その層はレンガが下から上へ、次から次へと絶え間なく押し出されていくような作りになっています。


そのレンガ状の細胞は角質といい、外界からの刺激で傷ついたり汚れたりしても角質がどんどん入れ替わっていくので皮膚はいつもキレイな状態に保たれます。


この角質細胞が生まれ、剥がれ落ちるまでをターンオーバーと呼びます。


ターンオーバーは正常な皮膚では約4週間かけておこなわれます。


この期間が大切で、これより短くなると細胞が未成熟なまま角化してしまい、細胞間脂質になるための内容物の量が足りず角質層内の潤いの不足や角質同士の接着力が低下し脆い皮膚を作ってしまいます。


長くなると、剥がれるはずの角質が残ったままになるので傷みや汚れが長期間残ってしまいますし、厚みが増してしまい肌にゴワツキや硬さが出てきます。



ーーーーーーーーーー ターンオーバーの流れ ーーーーーーーーーー


角質は基底層の基底細胞が分裂することで生まれます。


皮膚は大きく3段構造になっており、その1番外側を表皮と言います。


表皮はその厚さがサランラップほどしかありませんが、さらに下から基底層(きていそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、顆粒層(かりゅうそう)、角質層(かくしつそう)の4層に別れています。


基底層で分裂して生まれた細胞は、そのあとに分裂した細胞によってどんどん上へ押し出されていきます。


細胞は2週間かけ 基底層 → 有棘層 → 顆粒層 と移動しながら成熟し、角質層に入ると細胞内の内容物を外部に放出しながらアポトーシス(細胞があらかじめ決められたとおりに死ぬこと)します。


その後、死んだ細胞は薄く平たい、そして頑丈な角質細胞になりレンガ状に15段前後の層をつくります。


放出された内容物はセラミドやコレステロールなどからなる細胞間脂質になり角質細胞の間を満たし細胞同士を強力に接着します。


こうして角質は2週間ほど角質層にとどまり体の防護壁として働いたあと角片という目に見えない垢となって剥がれ落ちていきます。


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ターンオーバーの期間の長短は、体調、スキンケアの状態、加齢、ストレスや外界からの刺激などいろいろなものに影響されます。


このターンオーバーの長さを正常な状態に保つことが若々しく健やかで丈夫な肌を保つための基本的な、そしてとても重要なコツになります。


はがせばキレイな壁が現れる壁紙のように、いつでも正しい新陳代謝でキレイな角質が現れるような肌でいられるよう気をつけて見てはいかがでしょうか。




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